素敵なVisual Life

My Colorful Life

私の鮮やかな世界

  1. ホーム
  2. 素敵なVisual Life
  3. 水先人・畑内康孝さん・豊富な知識で伊勢三河湾の安全を守る。

手術後、レピータコンパスを見たときは、感動。
まだまだ、現役を続けられます。

―― 水先人のお仕事を全うするにあたって、五感の中で特に重要なものってあるのでしょうか?

畑内さん「五感の中では、圧倒的に“視覚”が重要ですね。衝突の虞(おそれ)の判断には、対象物の自船からの方位を計測するレピータコンパスやレーダーの確認が必須です。また、航行中に霧などが発生すると、レーダーに映りにくい小さな漁船などは危険にさらされるため、大型船に乗る我々は必ず目視で確認します。遠くを見る目と、細かな数字を読む目の両方がこの仕事には必要なんです。私が白内障の手術に踏み切ったのも、レピータコンパスの数字が見にくくなったのが大きな理由です。」

―― 手術を受けられる前の目の状態と、受けてからの変化を教えてください。

畑内さん「老眼鏡をかけ始めたのは50代の中頃だったと思うのですが、白内障も進んでしまって、ここ数年はレピータコンパスを見るのが億劫でした。水先人は年に数回の視力検査を受けるのですが、視力も徐々に落ちてきました。若い頃からずっと視力が良かったので、見えづらくなると余計にストレスで・・・。仕事柄、遠くと近くの両方を見ることが重要なので、3焦点眼内レンズの「パンオプティクス」というレンズのご提案を受け、さらに私の場合、乱視が入っていますので、「トーリック」タイプでお願いしました。日帰り手術で、手術が終わった瞬間にもうクリアに見えていて、仕事の現場でレピータコンパスを見た時はそれは感動しましたね。視力も1.5に戻りました。」

航路の判断のために重要な方位を計測する「レピータコンパス」。

―― ちなみにレピータコンパスとレーダーには、どのような違いがあるのですか?

畑内さん「日本では、従来より衝突の虞の判断には、主にレピータコンパスを使って行います。一方、欧米の船はレーダーを使うことが比較的多いですね。どちらの方法も一長一短ありますが、決定的な違いは、レピータコンパスは未来を予測して見るもので、レーダーは過去の情報だということです。ほんの一瞬ですが、レーダーは電波が捕捉したものを表示するのでタイムラグが生じます。レピータコンパスは未来の動きを予測するものなので物事の考え方が違いますよね。」

船舶にはレーダーが搭載されていますが、国や文化によって、安全に対する考えも様々です。

―― 名古屋アイクリニックを選ばれた理由を教えてください。

畑内さん「私の場合は、半年前から決まっていた12日間の休暇中に術後の検査までを終わらせたいという思いがありました。名古屋アイクリニックは人間ドックのドクターに紹介いただいたのですが、レンズの種類も豊富で、評判もいいことも知り、こちらに決めました。日程の希望も叶えていただき、休暇中に手術を済ませ、何事もなかったかのようにスムーズに職場復帰できました。水先人仲間の話だと、他院では片目ずつの手術が普通で、とてもそんなに早く職場復帰はできないようです。パンオプティクスは焦点が複数あるので、信号などの光が二重に見えることもあります。しかし、レンズの特性だと頭で理解しておけば何の問題もありません。」

―― 仕事以外のライフスタイルで良かったと感じた点はありますか?

畑内さん「若い頃から読書が好きなのですが、しっかりと視力が戻って、快適に文字を追えるのが大きな喜びですね。『坂の上の雲』をはじめとする司馬遼太郎の作品や、50年にわたって読み続けているハヤカワSF文庫のローダンシリーズを愛読しています。仕事がとてもやりやすくなって、趣味も充実したので手術して大満足です。」

―― これからも現役を続けられると思いますが、水先人には定年があるのでしょうか?

畑内さん「水先人は、最長で74歳廃業と定められていますので、あと5、6年は現役を続けられます。視力が戻って仕事も快適に行えているので、まだまだ頑張ります。
これからもグッドシーマンシップに基づいた判断を下し、無事故の記録を伸ばしていきたいですね。」

航路の判断のために重要な方位を計測する「レピータコンパス」。
水先人は航海に関するエキスパート。海上輸送を通じて、日本の経済を支えている。

海上では、風や潮などの影響で船舶が様々な動きをするため、即座に見極め修正することのできる水先人は、まさに職人技と言える。
国民の生活と産業に欠かせない船船輸送における安全を側面から支えているプロとしての畑内さんの水先人人生は、これからも続いていく。

  1. 1
  2. 2
  3. 3

素敵なVisual Lifeトップに戻る

PAGETOP