眼科119番

Eye Rescue 119

「目の不安」専門医がお答えします

目に関するQ&A

Q:白内障ってどんな病気?

白内障は、水晶体が白く濁ってしまう病気です。
眼はよくカメラに例えられます。眼の表面にある「角膜」(黒目)はレンズの保護と光を屈折させるフィルターにあたり、後ろには絞りにあたる「虹彩」があります。虹彩の真ん中には、光を通すための小さな窓である「瞳孔」(瞳)がついており、明るいところでは小さくなり、暗いところでは大きくなって眼に入る光の量を調節しています。そして、虹彩と眼球の間にあるのが、レンズの役目を果たしている「水晶体」です。
物を見るということは、見ている物から反射してくる光を眼で感じることです。物に反射した光を、まず角膜で屈折させ、瞳孔を通って水晶体でも屈折させることで焦点を合わせています。
水晶体は、厚み約4㎜、直径約9㎜の透明で凸レンズの形をした組織です。「毛様体」という筋肉組織から出ている細い糸(チン小帯)によって水晶体は固定されています。筋肉である毛様体が伸び縮みすることで、水晶体の厚みを調節して焦点を合わせています。近くの物を見るときには毛様体が縮んでチン小帯の引っ張りが弛むので水晶体が厚くなり、逆に遠くの物を見るときには毛様体が伸びて水晶体が薄くなり、常にピントが合うようになっています。
「硝子体」は、眼球の形を内側から支えている透明なゼリー状の組織です。この中を水晶体でピントを合わせた光が通って、カメラのフィルムにあたる「網膜」に届きます。
網膜は眼球の奥に広がっている薄い膜状の組織で、ここは光の明るさや色を感じる「視細胞」からできています。この視細胞が光の情報を電気信号に変換し、「視神経」から脳へと送っています。こうして脳に光の情報が届いて初めて、私たちは情報を映像として認識することができるのです。
このようにして私たちは物を見ているため、光が網膜に到達するまでの間は透明でなければなりません。また、はっきりと見るために、角膜と水晶体で光を適切に屈折させて網膜上に焦点を合わせる必要があります。
角膜の屈折力や眼球の長さ(眼軸)に異常が生じれば、水晶体が透明でも網膜上に焦点を結べなくなります。網膜より前に焦点を結んでしまうと「近視」になり、網膜より後ろに焦点を結んでしまうと「遠視」になります。この場合は、メガネやコンタクトレンズで矯正することが可能です。
ところが、白内障の場合は水晶体の透明度が失われてしまうため、レンズとしての役目を十分に果たせなくなります。
まず、レンズ(水晶体)が濁っていると、光を適切に屈折させることができないので、網膜に焦点を結べなくなって映像はピンボケになります。視界がぼやけたり、視力が低下したりすることは容易に想像できるでしょう。
また、角膜で屈折した光が水晶体の濁りに邪魔されて中に入りにくくなれば、光不足から暗いところでは物が見えにくくなります。
さらに、濁り方によっては水晶体の中で光が乱反射し、まぶしく見えることもあります。 特に夜間は、少しでも多くの光を取り入れて見えやすくするために瞳孔が大きくなることで、かえって車の運転中などはまぶしく感じることもあります。さまざまな症状が現れるのは、水晶体の濁りがどこに生じているかで違ってくるからです。





 
                           

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