A.目に強い衝撃を受けており、最悪の場合、眼球が破裂している可能性があります。すぐに眼科を受診してください。

■眼球が破裂するということ
　眼球に大きな外力が加わると、眼球破裂を起こします。受傷直後には「目を強く打った」、「痛い」、「見えない」などの自覚症状はありますが、いったい何が自分の身に起きているか、よく分からない場合がほとんどです。救急外来では、こういった患者さんによく遭遇します。眼球の裂け目は、角膜部分のみのこともあれば、強膜（俗にいう白目）まで達していることもあり、受傷の程度によって様々です。ひどい場合は眼球の内容物（硝子体や水晶体など）が眼外に出てしまっていることもあります。すでに網膜剥離になっていたり、細菌によって眼内炎になっていると、視力回復が不良な場合も少なくありません。

■眼球破裂を起こしていた場合、どう処置するか
　裂け目があると、バイキンが容易に眼内に入ってくるので、まずは緊急に縫合手術を行います。その後落ち着いた時点で、視力回復の見込みがある場合は、二期的にその後の処置をします。裂けた量、裂けた部位、眼球の損傷の程度により、視力回復の可能性は変わりますが、良好な視力はあまり期待できません。
　また、受傷時の状況によっては鉄片などの異物が眼球内に飛入してしまうこともあります。異物は、ものすごいスピードで飛んでくると、その瞬間、眼球は穿孔しますが、瘡が閉じてしまうので、実際には重症にもかかわらず「ちょっと見にくい」、「なんかコロコロする」といった自覚症状のみの場合もあります。したがって外傷のときは、眼科を受診し、異常がないか確認することが大切です。眼球内異物は緊急手術で除去します。