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目に関するQ&A

Q.急に物がダブって見えるようになりました。何が起こったのですか。

A.おそらく「複視」になったと思われます。原因を詳しく調べるために眼科、神経内科を受診してください。

■複視とは
 物が二重に見えることを複視と言います。通常は、両眼で見たときに二つに見えることを意味します。原因としては、眼を動かす神経や筋肉の障害が考えられます。眼球は六つの外眼筋により動かされています。それらをつかさどる神経は、動眼神経、外転神経、滑車神経です。それらの異常により外眼筋の動きが悪くなり(外眼筋麻痺)複視が生じます。
 その筋肉が本来作用する方向を見ると、両眼の視線を合わすことができにくくなるため、二重に見えます。たとえば、左眼を外側へ動かす筋肉の働きが悪くなると、正面や右を見たときには一つに見えますが、左を見たときに二重に見えます。このため、複視が生じないようにするために、頭を傾けたりして同じ方向を向きがちになるので、頭痛や肩こりになることがあります。

■なぜ外眼筋麻痺が起こるの
 外眼筋麻痺を生じる原因としては、糖尿病などの代謝性疾患による神経の麻痺、甲状腺の病気で外眼筋肥大による眼球の運動障害、脳動脈瘤、高血圧などの脳血管障害、脳腫瘍、鼻咽頭腫瘍などの腫瘍性疾患、重症筋無力症などの神経と筋の接合部の異常、筋ジストロフィー、眼窩筋炎、などの筋疾患、頭蓋内圧の亢進などが考えられます。なかには緊急を要することもありますので、すぐに眼科または神経内科にかかってください。
 検査では、眼球の動きやまぶたが下がってないかを調べる検査、目に映る像を調べる検査をします。また、原因を調べるために、CTやMRIなどの画像検査や、血液検査を行います。

■治療方法
 治療は原因疾患により異なります。原因が明らかな場合は、それに対しての治療が優先されます(脳動脈瘤などでは脳神経外科的手術、内分泌的疾患では内科的治療など)。対症療法としては、ビタミンB12、脳循環代謝改善薬、ステロイドホルモンの内服や点滴を行います。以上のような治療でも改善されないときは、プリズムを用いたメガネをかけることで症状を軽減することが可能な場合もあります。神経の麻痺では数カ月で徐々に改善されることが多いのですが、症状が続く場合は、症状が固定されるまで待って(少なくとも6カ月)、目の位置を矯正する手術を行うことがあります。

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