A.左右の度数が大きく異なる「不同視」が考えられます。左右の視力に大きな差がある場合には、メガネの作製に当たり十分に時間をかけて処方する必要があります。

■小児の場合
　視力矯正法にはメガネ、コンタクトレンズ、屈折矯正手術、就寝時装用屈折矯正コンタクトレンズ（オルソケラトロジー）などがありますが、一般的に小児の屈折矯正を行うには、安全性、今後の成長、手入れの面を考慮すると、メガネがよいでしょう。

■成人の場合
　大人の場合は左右の屈折力に大きな差があると、メガネによる矯正では一つの物を見ても左右眼で認識される大きさが異なってしまい（不等像）、一つの物と認識されず、違和感を覚える可能性があります。その場合はコンタクトレンズにより矯正を行います。また、適応があれば屈折矯正手術も選択肢として考えられてもよいかと思います。

■壮年の場合
　長年、コンタクトレンズを使用されていた人が老眼年齢になり、いざメガネを作製しようとすると「不等像」が出現し、疲れないメガネができず、苦労することがあります。50代以降で調節力がかなり低下、つまり老眼が進行した場合、また、すでに初期の白内障が出現しているならば、不同視治療の一つの方法として、早めの白内障手術を考慮してみてはいかがでしょうか。白内障手術は術式の進歩により安全性が非常に高くなり、今では近視矯正の一方法として、老人だけではなく、若い年齢の方にも行うことがあります。
　また、子どものころから左右の視力に差があり、疲れ目がひどい方は、現在の両眼視機能の状態によって、生活環境との兼ね合いで対策を考える必要があります。まずは眼科を受診されることをお勧めします。