A.おそらく網膜剥離によるものと思われます。網膜剥離であれば、放置すると失明しますので、緊急に眼科を受診してください。

■網膜剥離とは
　10～20歳代と50～60歳代の近視の人に発生しやすいことが知られています。多くは網膜に穴があき（網膜裂孔）、その穴から目の中の水分が網膜の裏側にまわりこんで穴を広げていき、網膜が網膜色素上皮だけ残して脈絡膜から剥がれます。網膜剥離の部位は、最初は網膜の周りの一部で起こることがほとんどですが、経過とともに網膜全体に広がり、失明してしまいます。

■網膜剥離の治療
　治療は、網膜が剥がれる前の穴だけの網膜裂孔の状態なら、レーザー光線で穴の周りの網膜を焼き固めることで、目の中の水分が網膜の裏側にまわりこむことを防ぎ、網膜剥離への進行を予防できることがほとんどです。しかし、網膜が剥がれてしまっていると、手術以外に治療法はありません。手術には、眼球の外から治す強膜内陥術と、内から治す気体注入術、硝子体手術などがあります。年齢、剥離の状態によって手術方法を選択し、二つ以上の手術方法を組み合わせて行うこともあります。治療が遅れると治療が難しくなりますし、網膜が治っても視力が戻らなかったり、物がゆがんで見えたりする後遺症を残します。黒いものが飛んで見えたり、周辺に黒いものが見えた場合には、網膜剥離の可能性があると考え、早めに眼科を受診し、早期治療を受けることが重要です。