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目に関するQ&A

Q:遠視性弱視でメガネをかけるように言われましたがとても嫌がります。どうしたらよいでしょうか。

A:遠視のメガネは幼児の視力を育てるためのものです。嫌がってもメガネをかけさせることが必要です。

■メガネをかけさせるにはどうしたらいいの

はじめから好んでメガネをかける子供はほとんどいないと思います。それを無理やりかけさせると、ますますメガネが嫌いになってしまいます。そうならないためにも、周りの大人たちがメガネをかけやすい環境を作ってあげることが大切です。例えば、お父さん、お母さんが度の入っていないメガネを子どもと一緒にかけてみるのも一つの方法です。子供がメガネをかけたいと思うような工夫をしてあげてください。
はじめはメガネをかけることを嫌がると思いますが、メガネをかけていた方が見やすいということを自覚するようになれば、自らかけるようになります。弱視の治療はすぐには結果が出ないため、あきらめずに根気よく治療していくことが大切です。

■遠視はなぜメガネをかけなくてはいけないのか

遠視は、メガネをかけないでそのままにしておくと、遠くのものも近くのものも網膜にしっかりとした像を結ばないため、脳にきちんと信号が伝わらず、脳の中にある見たものを分析する部分(視覚野)が十分に発達しなくなる恐れがあります。これが遠視による弱視です。
視力の発達期間は、小学校低学年くらいまでと言われているため、この期間にきちんとした像が網膜に結んでいないと弱視になってしまいます。そのため遠視性弱視はメガネをかけることが一番有効な治療法です。

■遠視は遠くも近くもぼやけて見えます

遠くがよく見えるから遠視だと思っている人がかなりいるようです。それは大きな間違いです。それに対して近視は近くのものが比較的よく見えます。そのため、「近視=近くがよく見える」「遠視=遠くがよく見える」という誤解が生まれたのであろうと思います。
5メートル以上遠くの像を見ているとき、私たちの目は水晶体の厚みを調節しない無調節状態で見ていますが、このとき遠視の人は網膜の後ろでピントが合ってしまうために、遠くがぼやけ、近くはもっとぼやけてしまいます。ただし、遠視でも程度が軽ければ、水晶体を厚くする「調節」を行って、ピントを合わせることができるので、遠くがよく見えます。しかし、近くにピントを合わせるには、遠くを見るよりもっと水晶体を膨らまさなければならないので、近くは見にくくなります。このように遠視は、いつも毛様体筋(調節する筋肉)を緊張させているため、毛様体筋へのストレスが多くなり、疲れ目の原因になることがあります。

■遠視が強すぎると斜視になることがある

私たちの目は、近くを見るときに両目が内側を向きます。これを「輻輳」と言います。この輻輳は水晶体を厚くすることとセットになって働きます。遠視では、遠くを見るときも水晶体を厚くする調節をしないと見えません。同時に輻輳も起こることで、目が内側に寄ってしまいます。近くを見るときは、さらに水晶体を厚くするため、目がより内側に寄ってしまいます。これを「調節性内斜視」と言います。治療は遠視を矯正するメガネをかけることです。

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