目に関するQ&A
Q:コンタクトレンズが合わず、メガネもわずらわしいので近視矯正手術を考えていますが、どのような方法があるのでしょうか。
A:大きく分けて、角膜にレーザーを照射するLASIK、SMILEと、目の中に眼内コンタクトレンズを入れるICLがあります。
・レーシック
1990年に開始されてから30年以上の歴史があり、これまでに5000万人以上の方が手術を受けたと言われています。角膜にフラップという蓋を作り、フラップを開けた後にエキシマレーザーという紫外線レーザーを照射して正確に角膜を削ってカーブを変え、その後フラップを戻します。痛みはほとんどなく片眼10分ほどで終わる安全な手術です。
ほとんどの方は、3時間後にはメガネやコンタクトレンズをしているのと同じくらいの視力に回復します。通常は近視や乱視で視力が悪くなった若い方が受けられる手術ですが、白内障の後に残った近視や乱視に対しても、非常に正確に矯正ができます(これをタッチアップレーシックといいます)。
現在のエキシマレーザー装置は、ウェーブフロント技術を利用したレーシックに対応しています。目には近視、遠視、乱視以外に高次収差と呼ばれる微小な光学的なゆがみがあります。ウェーブフロントと呼ばれる高次収差を含む目の状態を測定し手術に利用することで、術後の見え方をより良くするためのテクノロジーです。
従来は角膜のフラップを作製するにはマイクロケラトームという電動カンナのような器械を用いていましたが、現在では主にレーザー(フェムトセカンドレーザー)によって行われています。レーザーを用いることにより、大きさ、厚みが一定な角膜フラップを安全に作ることができます。
・SMILE
SMILEは、フェムトセカンドレーザーを角膜実質の切除にも使用し、近視・乱視を矯正する方法です。エキシマレーザーでは角膜実質を蒸散することによって切除しますが、角膜をシート状(レンチクル)に切って、2~3ミリメートルの切開層から摘出します。SMILEは小さな傷口で手術を行うことができ、レーシックのようなフラップを作製しないので、外傷に強くドライアイも生じにくいとされています。
・ICL(有水晶体眼内レンズ)
角膜にレーザーを照射して矯正するレーシックに対して、角膜には触れず、水晶体を残したまま目の中に眼内レンズを入れることで視力を矯正するのが、有水晶体眼内レンズICLです。
ICLは角膜を削らない視力矯正法として、レーシックが登場した1990年代より前に開発が始まっていた歴史ある治療法です。ICLは、眼球の中、虹彩と水晶体とのわずかな隙間に小さく折りたたまれたレンズを入れ、視力を矯正します。
矯正できる度数の範囲はとても広く、強い近視や乱視の方(遠視も可能)にも適しています。
ICLは、従来からの眼内レンズ素材(アクリル)とコラーゲンを合わせた親和性の高い素材「コラマー」でできており、ソフトコンタクトレンズのように柔らかく、無色透明です。有害な紫外線をカットし、経年劣化で汚れたりくもったり破れることはありません。つまり、半永久的に使用可能な優れたレンズです。
ICLはとても精度の高い優れた視力矯正手術ですが、目の中の水の流れが悪くなることから、約1~2%白内障が進行するというリスクがありました。この合併症を減らすためレンズの中央に極小の穴をあけたHole ICLが開発されました。これによって白内障のリスクが低下し、より安全性が高まりました。
ICL手術の流れ
点眼麻酔の後、周辺の角膜を3ミリメートル程度切開します。その部位から専用のインジェクター(筒)の中に折りたたんだICLをゆっくり丁寧に目の中に挿入します。通常片眼10分程度で終了し、手術中に強い痛みを感じることはありません。術後は2時間ほど院内で休憩を取ったのち、帰宅していただきます。入院の必要はありません。
ICLのメリット
①レンズを取り出せるから安心
ICLは、レンズを目の中に入れることで視力を矯正する「足し算」の治療法です。レーシックの場合一度削った(引き算)角膜を元に戻すことはできませんが、ICLの場合、万が一不具合が生じても、レンズを取り出せば、目は元の状態に戻すことが可能です。
②メンテナンスフリーだから便利
術後一定期間の定期検診(通常は1年間)を受けていただくだけで、コンタクトレンズのようにレンズを洗浄したり交換するなどのメンテナンスは不要です。
③幅広い範囲の近視・乱視に対応
レーシックの適応にならない強度の近視や角膜が薄い方、角膜に不正な乱視がある方にもICLは適応の可能性があります。
④ドライアイの原因になりにくい。
レーシック術後のドライアイの原因のひとつに、手術により角膜の表面にある知覚神経(三叉神経)を傷つけることが報告されていますが、ICLの手術は切開創が3ミリメートルと非常に小さいため、ドライアイになる可能性は極めて低く安心です。
⑤ライセンスを取得した執刀医のみが行うから安心
資格不要のレーシック手術と違い、ICLは認定を受けた執刀医が行います。ICLの認定には、講習を受講し、インストラクター医師の立ち合いのもとで手術を行い、技術を認められなければなりません。
・レーシック
1990年に開始されてから30年以上の歴史があり、これまでに5000万人以上の方が手術を受けたと言われています。角膜にフラップという蓋を作り、フラップを開けた後にエキシマレーザーという紫外線レーザーを照射して正確に角膜を削ってカーブを変え、その後フラップを戻します。痛みはほとんどなく片眼10分ほどで終わる安全な手術です。
ほとんどの方は、3時間後にはメガネやコンタクトレンズをしているのと同じくらいの視力に回復します。通常は近視や乱視で視力が悪くなった若い方が受けられる手術ですが、白内障の後に残った近視や乱視に対しても、非常に正確に矯正ができます(これをタッチアップレーシックといいます)。
現在のエキシマレーザー装置は、ウェーブフロント技術を利用したレーシックに対応しています。目には近視、遠視、乱視以外に高次収差と呼ばれる微小な光学的なゆがみがあります。ウェーブフロントと呼ばれる高次収差を含む目の状態を測定し手術に利用することで、術後の見え方をより良くするためのテクノロジーです。
従来は角膜のフラップを作製するにはマイクロケラトームという電動カンナのような器械を用いていましたが、現在では主にレーザー(フェムトセカンドレーザー)によって行われています。レーザーを用いることにより、大きさ、厚みが一定な角膜フラップを安全に作ることができます。
・SMILE
SMILEは、フェムトセカンドレーザーを角膜実質の切除にも使用し、近視・乱視を矯正する方法です。エキシマレーザーでは角膜実質を蒸散することによって切除しますが、角膜をシート状(レンチクル)に切って、2~3ミリメートルの切開層から摘出します。SMILEは小さな傷口で手術を行うことができ、レーシックのようなフラップを作製しないので、外傷に強くドライアイも生じにくいとされています。
・ICL(有水晶体眼内レンズ)
角膜にレーザーを照射して矯正するレーシックに対して、角膜には触れず、水晶体を残したまま目の中に眼内レンズを入れることで視力を矯正するのが、有水晶体眼内レンズICLです。
ICLは角膜を削らない視力矯正法として、レーシックが登場した1990年代より前に開発が始まっていた歴史ある治療法です。ICLは、眼球の中、虹彩と水晶体とのわずかな隙間に小さく折りたたまれたレンズを入れ、視力を矯正します。
矯正できる度数の範囲はとても広く、強い近視や乱視の方(遠視も可能)にも適しています。
ICLは、従来からの眼内レンズ素材(アクリル)とコラーゲンを合わせた親和性の高い素材「コラマー」でできており、ソフトコンタクトレンズのように柔らかく、無色透明です。有害な紫外線をカットし、経年劣化で汚れたりくもったり破れることはありません。つまり、半永久的に使用可能な優れたレンズです。
ICLはとても精度の高い優れた視力矯正手術ですが、目の中の水の流れが悪くなることから、約1~2%白内障が進行するというリスクがありました。この合併症を減らすためレンズの中央に極小の穴をあけたHole ICLが開発されました。これによって白内障のリスクが低下し、より安全性が高まりました。
ICL手術の流れ
点眼麻酔の後、周辺の角膜を3ミリメートル程度切開します。その部位から専用のインジェクター(筒)の中に折りたたんだICLをゆっくり丁寧に目の中に挿入します。通常片眼10分程度で終了し、手術中に強い痛みを感じることはありません。術後は2時間ほど院内で休憩を取ったのち、帰宅していただきます。入院の必要はありません。
ICLのメリット
①レンズを取り出せるから安心
ICLは、レンズを目の中に入れることで視力を矯正する「足し算」の治療法です。レーシックの場合一度削った(引き算)角膜を元に戻すことはできませんが、ICLの場合、万が一不具合が生じても、レンズを取り出せば、目は元の状態に戻すことが可能です。
②メンテナンスフリーだから便利
術後一定期間の定期検診(通常は1年間)を受けていただくだけで、コンタクトレンズのようにレンズを洗浄したり交換するなどのメンテナンスは不要です。
③幅広い範囲の近視・乱視に対応
レーシックの適応にならない強度の近視や角膜が薄い方、角膜に不正な乱視がある方にもICLは適応の可能性があります。
④ドライアイの原因になりにくい。
レーシック術後のドライアイの原因のひとつに、手術により角膜の表面にある知覚神経(三叉神経)を傷つけることが報告されていますが、ICLの手術は切開創が3ミリメートルと非常に小さいため、ドライアイになる可能性は極めて低く安心です。
⑤ライセンスを取得した執刀医のみが行うから安心
資格不要のレーシック手術と違い、ICLは認定を受けた執刀医が行います。ICLの認定には、講習を受講し、インストラクター医師の立ち合いのもとで手術を行い、技術を認められなければなりません。