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子どもの近視抑制

点眼で近視の進行を抑制できると聞きましたが本当ですか?

2012年にその効能について初めての論文が出された、比較的新しい点眼薬がアトロピン0.01%点眼液です。
これは点すだけでいいという手軽さが魅力です。1日に1回毎晩継続して使用してください。
使用法は普通の目薬と変わらず、値段も比較的安いので、始めるのにさほど敷居が高い治療法ではありません。かつて処方点眼薬の主流であった目の筋肉を弛緩させる目薬ではなくアトロピンをお勧めするのは、近視の進行抑制効果が実証されているからです。
2019年に国内で行われた臨床試験の結果(眼軸長の伸展の計測)では、2年間の近視進行の抑制率は18%でした。治療の簡易さからしたら高い効果があると言えます。そのメカニズムは、未だに完全には明らかにされていませんが、眼軸長制御にかかわりのある網脈絡膜に薬液の成分が働きかけているからだろうと推測されています。

アトロピン点眼液には、その濃度に応じていくつかの種類があります。
アトロピン点眼液0.01%は低濃度に分類されます。その低濃度アトロピンにも0.05%、0.025%、0.01%など各種あります。
濃度を高めた方が効果は高くなりますが、その一方で副作用も生じます。具体的には、近くが少し見えづらく感じたり(調整鈍麻による近見障害)、日中は光がまぶしく見えてしまうこと(散瞳による羞明)があります。
0.01%の場合、そのような副作用もほとんどなく、一方で一定の抑制効果もきちんと確認されています。そのためトータルのバランスから見てお勧めできるのは、この低濃度アトロピン0.01%ということが言えます。

 

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