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目に関するQ&A

Q:目がいつも疲れますが、何か良い治療法はありませんか。

A:治療法は疲れ目(眼精疲労)の原因によって違います。まずは、なぜ目が疲れるのか原因を突き止めることが大切です。


■疲れ目になりやすい現代社会

最近電車に乗ると、小学生から大人までスマートフォンの画面を見続けている
のを見ます。また、仕事場や家でもパソコンを使って情報検察をしたりメールを書いたりと、現代社会はますます目を酷使せざるを得ない状況になっており、このような質問をよく受けます。
まず眼精疲労には生理的な疲労と病的な疲労があります。生理的な疲労は、誰もが感じるものですが、長時間テレビや映画を見たり読書をしたりして目が疲れたと感じるもので、しばらくの間目を休めることで疲れは解消されます。病的疲労は目に対する負荷とそれによる疲労がつりあわないもので、休息をとっても症状が改善されないことが多いです。

■眼精疲労の原因

眼精疲労といっても原因は様々で、大きく分けて3つあります。
目が原因で起こるもの ②外の環境が原因で起こるもの ③全身、心理的要素が原因で起こるものです。これらの原因が絡み合って一つの症状を作り出していることが多く、原因を突き止めるのは容易ではありません。私なども眼科医になりたての頃は目が疲れてしようがなかったことを覚えています。眼科は皆さんが思う以上に目を酷使する科で、最初の頃は未熟なので、一人の患者さんを診るだけで必要以上に目を長く使い、また間違った診断をしたらどうしようかと精神的ストレスも大きく、今考えると前述した②と③を満たしていたなあと思います。
まず何が原因かをつきとめ、それに対する方法をとることが重要だと思います。最もよくあるのがメガネ、コンタクトレンズなどが合っていないことです。特に最近はソフトコンタクトレンズを使う方が多く、少し見えにくいというだけで度数を上げていくと、過矯正といった状態になることがあります。この状態だと常に目の中のピントを合わせる筋肉を使用してものを見なければならず、これに長時間の近くを見る作業が加わったりすると眼疲労感として自覚することがあります。
これは眼科で目の調節力を取り除いて行う検査をするとわかります。
目が原因で起こるものとしてドライアイがあります。ドライアイの人は目を使うと瞬きの回数が減り、さらに目の表面が乾きやすくなるので、正常の人より眼疲労感が起こりやすいです。また、緑内障のような視野(物の見える範囲)が欠けてくる病気があると疲れ目になりやすいと言われています。
VDT(パソコンなどのモニターと端末のこと)作業は②に当てはまる眼精疲労の原因の一つです。
は体力が消耗してしまうような全身疾患や、精神的ストレスなどが関与します。このように原因は多様で、しかもそれが複雑に絡んで起きるのが眼精疲労です。

■何を調べるか

これに対する眼科の検査としては、視力検査、屈折検査、調節検査、眼位検査などがあります。視力検査は、裸眼視力、矯正視力、今持っているメガネなどでの視力を測り、今使っているメガネやコンタクトレンズの度数が適正かチェックします。屈折検査は、目の緊張を除く目薬を使って本来の目の屈折(近視や遠視の度数)を計測します。これによって隠れた遠視などがないか調べます。遠視は目の中の筋肉を使うことで見かけ上は遠視がないように見えることがあり、その場合はいつも目の中の緊張が続いていることになり、疲労の原因となります。
目の中の筋肉の緊張を調べることもできます。眼位検査とは目の向きを調べる検査です。これは目の向きがずれていると、それを修正するのに無意識に努力するために知らない間に目が疲れてしまうからです。そのほかの検査として眼科一般の検査で眼圧測定や眼底検査を行い、これによって緑内障が発見されることもあります。治療については、やはりその原因を除去する方法が必要で、1つの目薬でパッと解決してしまうようなものはありません。

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