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目に関するQ&A

Q:漂白剤が目に入りました。どうすればよいでしょうか。

A:ただちに流水で10分以上目を洗ってください。ものによりますが、最悪の場合失明の恐れがあります。


■薬物飛入

目の中に薬剤が入った場合、その薬剤の性質、濃度、時間によって症状が大きく異なります。一般に酸性の薬剤とアルカリ性の薬剤とを比べると、アルカリ性のものの方が非常に病後の経過が悪いです。また、薬剤が目に入ってからどのくらい時間がたったのかで、病後の経過が大きく左右されるため、まずは水道水でいいので目を最低10分以上は洗い流してください。通常自分で十分に目を洗ったと思っていても、せいぜい5分以内です。また痛みのために目を閉じたまま洗っている場合がしばしばありますが、それでは不十分です。しっかりと目を開いて最低10分以上は洗ってください。何もしなかったり、市販の目薬を点しただけで随分時間がたった後に、まだ痛みがとれないからといって眼科を受診しても手遅れの場合があります。

■どんな薬剤が危険なのか

<酸性薬剤>
塩酸、硫酸、硝酸、漂白剤、酸性洗剤などがあります。酸は組織への透過性が低いので、障害はアルカリに比べると組織の表面にとどまることが多いようです。

<アルカリ性薬剤>
水酸化ナトリウム、アルカリ性洗剤、毛染め液、パーマ液、生石灰、セメントなど。アルカリは組織への浸透性が高いので、時間がたつと目の奥の方までひどい障害を起こして白内障、緑内障にまで至ることもあります。

薬剤が入った時の主な症状は、目の痛み、視力障害などです。結膜の充血や浮腫、角膜の濁り、ひどい場合はまぶたがくっついて目が開かなくなったり、白内障、緑内障を起こします。
病後の経過は、角膜や結膜がどれくらい障害されているかにより異なります。つまり、最初の処置が早く適切に行われていれば、障害は最小限にとどまる可能性があります。角膜の上皮が残っていれば、そこから再生されて治っていきますが、残っていなければ別の組織が進入してきて角膜の透明性が失われたり、潰瘍が残って失明することもあります。
また、アルカリ性薬剤の場合、目の中まで浸透して組織が破壊されてしまうことがあります。そうなると失明の可能性もあります。
眼科での治療は、まず大量の生理食塩水で目を洗います。症状がひどい場合、長時間連続して目を洗い続ける必要があれば、入院していただくこともあります。その後は、目薬を使って様子をみていき、目薬でも治らない場合は角膜移植などを行うこともあります。また、目の中に障害が起こっていれば手術を行う場合もあります。

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