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目に関するQ&A

Q:プールではゴーグルをした方が目に良いのでしょうか。

A:プールでは、伝染性の結膜炎になったり、プールの中に入っている塩素による刺激で結膜炎になることがあるので、予防としてゴーグルで目を保護することをお勧めします。


■プールでうつる結膜炎

結膜炎はプールでうつることがあります。はやり目やプール熱と言われる伝染性の結膜炎になると、目が赤く充血し、目ヤニや涙が出るなどの症状を起こします。また、プール熱と言われる咽頭結膜熱になると発熱やのどの痛みも現れるため、風邪と間違われることもあります。
結膜炎はウイルスによるものと細菌によるものがありますが、プールでうつるものはウイルスの一種であるアデノウイルスによるものが主です。
プールでうつっても症状が出てくるのは1週間くらい後からです。ウイルス性の結膜炎によく効く目薬は今のところありませんが、他の病気を引き起こさないように抗生物質の目薬を点したり、角膜(黒目)に細かい傷ができている場合
は傷を治す目薬を点します。角膜に混濁を生じる可能性があるためステロイド薬の目薬を使うこともあります。細菌性の結膜炎は、ウイルス性の結膜炎より症状が軽く、抗生物質の目薬で治療します。ウイルス性の結膜炎は、2~3週間で治りますが、症状が強い場合もあり、まずはうつされないように予防し、うつってしまったら他の人にうつさないようにすることが大切です。結膜炎などの目の病気にかかっている可能性があるときは、プールに入ってもいいか医師に確認してください。

■塩素で目が赤くなる可能性も

プールの水には消毒のため塩素が入っており、これによって結膜が刺激され、赤く充血した状態になることがあります。また、角膜に細かい傷ができるとゴロゴロした異物感が出てきます。結膜が刺激に対して敏感な人は目が赤くなりやすく、特に子供の結膜はまだ丈夫でないため、大人より敏感で目が赤くなりやすいものです。プールは不特定多数の人が利用する施設のため、水質基準が定められていて、プールの遊離残留塩素濃度は、0.4~1.0mg/lの範囲に設定されています。この濃度は殺菌にはいいのですが、1.0㎎/l近くになると目や肌への刺激が強くなり、結膜や角膜に炎症を引き起こすことがあります。
そのようなことから、プールに入る時はゴーグルで目を保護し、プールから出た後は軽く目を洗い流しましょう。しかし、プールの水よりは塩素濃度が低いものの、水道水にも塩素が含まれているので、さらに涙液タイプの目薬をさして洗い流すとよいでしょう。最近多くの小・中学校でゴーグルの使用が認められてきていますので、できるだけ着用し、目を保護してください。このような予防を行っても、目の充血や痛み、目ヤニなどの症状が見られた時には、早めに眼科を受診するようにしてください。

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