多焦点眼内レンズは、単に白内障を治すだけではなく、屈折異常や老眼も治せて裸眼で日常生活を送れるようになるという、実に前向きな治療です。したがって、眼の病気があるなどで制限される場合は別にして、患者さんが希望すれば多焦点眼内レンズを入れることは可能です。
 
実際に、第一線で活躍している現役バリバリの人から仕事をリタイアした人、主婦、医療関係、デザイナー、建築設計士、美容師、漁業・農業関係者、教師、警察官、消防士と、生活環境も職種も実にさまざまです。大事なことは、漠然と「よく見えるようになりたい」というのではなく、「スキューバダイビングをして海の中を見てみたい」とか「子どもの頃から強い近視で不便だったので裸眼で生活できるようになりたい」など、患者さんが手術後にどのような生活を思い描いているのか、具体的にイメージをすることではないかと思います。
それを実現するために、今までどういう見え方をしてきて、何が不自由なのか、どの程度治すことができるのか、どういう見え方を希望しているのかを医師が詳しくうかがいながら、患者さんに最適な多焦点眼内レンズを一緒に選んでいきます。