①  創口作成
目薬で麻酔をしたあと、メスで角膜（黒目）と結膜・強角膜（白目）の境目付近を２〜２・４㎜程度切開（創口）し、そこから眼の中に手術用の薬液や小さな器具を出し入れします。

②  眼粘弾性剤注入
眼内にジェル状の物質（ヒアルロン酸）を入れて満たし、手術を安全に行えるようにします。


③  前嚢切開
水晶体の中身を吸い出すために、少し曲がった針や先がとがった特殊な鑷子を使って水晶体を包んでいる袋（嚢）の前面を円形に切り取って窓を作ります。これをいかに中央で円形に切り取るかが眼内レンズの位置や術後の見え方に影響してきますので、非常に大事な作業となります。

④  水晶体乳化吸引
水晶体の前面に作成した窓から、超音波の出る金属の筒を入れて水晶体を細かく砕く（乳化）と同時に吸い取ります。周りの袋を傷つけないように濁りを吸い出し、中を空っぽにします。

⑤  眼内レンズ挿入
中身のなくなった水晶体の袋の中に、先ほどの窓から小さく折りたたんだ眼内レンズを挿入します。すると、袋の中で眼内レンズが開いて固定されます。

 ⑥  眼粘弾性剤除去・創口閉鎖最後に、最初に入れたヒアルロン酸を抜き、代わりに眼の中の成分に近い液体（人工房水）を満たして眼圧を整えたら終了です。ここまでの所要時間は、濁りの強い硬い核や難症例、また突発的なトラブルが起こらない限り傷口が3㎜以下なら縫合しなくても閉鎖します。所要時間は10分前後です。

手術と聞くと、怖くて不安になる人が多いと思います。しかし、順調に進めば  10分以内に終わってしまいますし、痛みもとても少ないので、術後はほとんどの方が「もう終わったのですか？」「思っていたよりほとんど痛くなかったですね」と口にされます。